鮮度を保つために摘み取ったら
すぐに冷蔵コンテナに移動させる。
コンテナから運ばれた茶葉はまず蒸し工程に入る。
蒸すことによって酸化による変色を止め綺麗な緑色を維持させる。
更に、葉っぱを蒸す事で葉は柔らかく滝れた時の色が美しい緑色となる。
しかし蒸し時間により風味が失われるため味と香りが決まる。1番重要な工程で常に職人が目を光らせている。
熱を加えてゆっくり水分を飛ばしながら二度の粗揉工程のあと分銅の重りで少しづつ磋っていく。この揉捻行程で乾いているもの乾いていないもバラバラだった葉の水分を揉むことによって均一にし、念入りに揉んでいく。
熱風を加えながら更に揉みこんでいく。
精揉機でゆっくりと精密に揉み上げる最終工程。茶葉の色・香りを細かく確認しながら仕上げるタイミングを計り乾燥工程に移る。
ひとつひとつ丁寧に袋詰めしていく。どの工程でも茶葉の状態によって温度時間を使い分ける熟練の職人による見極めが最高の品質を作り上げる。
すべてはこの瞬間の為に
「セミの命は1週間」
短命のものの喩えとしてよく使われれています。しかし、お茶の命はもっと短くたったの3日間だと言われています。
1芯2葉。これが最高の状態です。早すぎても遅すぎてもダメなのです。
茶葉本来の旨みのピークが終わってしまう。この摘み取りの時のために茶農家の一年はあるのです。
肥料を散布するタイミング・量、天候との駆け引き、日々お茶の木と対話しながら、経験に基づく職人の勘を頼りに最良の選択をし結果を出す。
こうしてお茶の風味、味をふんだんに閉じ込めた究極の1芯2葉が出来上がります。
そして最大限に引き出された最高の状態のお茶を味わって頂きたいのです。
調和が生み出す最高のバランス
加工には最新の大型機械が使用され、茶葉の鮮度が落ちる前に素早く風味を閉じ込めていきます。 機械の技術の上に職人の手で、目で、鼻で、感じて微調整を行うことで機械だけでは到底できない最上の茶葉にしあがり、そのため最盛期には24時間稼働しています。上香園の味は最新のコンピューター(正確性)+人間の第六感職人の感覚(経験)により、揉みの回数や温度、乾燥させる時間が管理され、風味・色合いともに最高品質が支えられています。上香園では生産から販売までをすべて自社で行っています。
京都では古来よリ目に見えない”間”を大切にする
例えば、忙しない商談の場であってもすぐさま仕事の話を始めるのではなく、ゆっくリとお茶を楽しみながら近況を話し合い、その後本題に入るのですが、時には雑談だけで帰ることもあり、一見無駄に思える直前の雑談の”間“から、相手の現状を察しており、まさに“間”を大切にする京人の粋と言えます。
そしてその間を作リだしているのが、一杯のお茶です。お湯を沸かし一手間かけて滝れる、香リと共に味わうまでの時間もふくめて京の粋なのです。
以前、お客様よリ一通の手紙をいただきました。それは、上香園のお茶を敬老の日に両親に贈られた、息子さんからのものでした。
息子さんがプレゼントしようとした丁度その日、ご両親は喧嘩の最中で険悪なムードになっており張リつめた空気の中、息子さんが意を決してお茶を渡すとご両親はせっかくだからとその場でお茶を入れて飲み、その一連の流れで険悪なムードは嘘のように和み、それをきっかけにご両親は仲直リされました。手紙には、上香園のお茶への感謝の言葉が書かれておりました。この手紙は本当にうれしく、心が暖かく「ほっこり」する内容でした。
香リ・色味・味など五感で感じることのできる最高の味わい・品質のお茶を追い求め、安心・安全を追求してます。お茶栽培では無農薬では味が落ちてしまい、茶木は自己防衛の為に、虫を寄せ付けない成分を作り出して香リ・味が変化してしまいます。虫も食べれない茶葉は、皆様に届けたいと思っているお茶の味ではありません。安全は確保し、国の基準よりも厳しい京都府の安全基準もクリアしています。
また、摘みたての茶葉でも洗わなくても食べられるように農薬が残らないようにしています。上香園では商品と同じ畑のお茶を日頃から家族で使用しています。自分の分は出荷する分とは別の畑で生産している農家が多い中、お客様に喜んでいただくため、安心・安全にこだわっています。 忙しい日常の中で「ほっ」と出来る時間を提供し、茶農家として品質にこだわり続けることが、上香園とお客様との見えない契約なのです。